遺伝子の正確な記載を現実に 新しい技術は遺伝性疾患の治療に新たな希望 中国
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【7月13日 CGTN Japanese】中国科学院動物研究所の研究チームが開発したレトロトランスポゾンの遺伝子工学の新技術は、リボ核酸(RNA、リボースを糖成分とする核酸)を媒介とする遺伝子の正確な記載を初めて実現し、遺伝性疾患、腫瘍などの疾病の治療により効率的で、より安全、より低コストの新しい方式をもたらすものと期待されています。この研究成果は8日、国際学術誌「セル」のウェブサイトに発表されました。
紹介によると、遺伝子治療は遺伝子工学技術を利用して遺伝子突然変異による疾病を治療するものです。しかし、人体は数十兆個の細胞からなり、各細胞にはまた数十億個の塩基対があり、どのようにして正常な遺伝情報を正確に特定のゲノム部位に置くことができるかは、現在の遺伝子工学分野が直面している課題です。中国科学院動物研究所が今回開発したレトロトランスポゾンの遺伝子工学の新技術は、RNAを媒介とする遺伝子の正確な記載を初めて実現しました。この技術は多種類の哺乳類の細胞系、初代細胞において巨大遺伝子群の効率的かつ正確な編集を実現することができ、DNA療法に比べてRNAを媒介とすることはより安全で効果的だとされます。これをもとに、遺伝性疾病や腫瘍などの病気に新たな治療法ができると期待されています。
これについて中国科学院動物研究所の李偉研究員は、「例えば腫瘍の患者に対して、現在の治療の方法は比較的煩雑で、患者の腫瘍細胞を収集し、これらの細胞に対して編集を行って、編集しておいた細胞を再び患者の体に注入しなければならない。今後この世代の技術を利用して、新しい治療方法と薬物を開発することができて、直接この遺伝子製剤を患者の体内に注射することができる。現在のワクチンや静脈点滴のように、一度に患者の細胞に遺伝情報を記載し、より汎用的で、より効率的で、よりコストの低い治療の方法を実現することができる」と説明しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News