【7月8日 AFP】女子テニスのエマ・ラドゥカヌ(Emma Raducanu、英国)が7日、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)とのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2024)混合ダブルスを棄権した物議を醸す判断について、自身を擁護した。

 ラドゥカヌはマレーとのペアで6日に混合ダブルスの試合に出場する予定だったが、7日にルル・スン(Lulu Sun、ニュージーランド)との女子シングルス4回戦を控えていた中で、手首の問題を悪化させたくないことを理由に棄権を発表した。

 しかしこの混合ダブルスが、マレーにとって2回の優勝を果たしているウィンブルドンで最後の出場になるはずだったため、その希望を打ち砕いたラドゥカヌの行動が批判を呼んでいる。

 6月に背中の嚢胞(のうほう)を取り除く手術を受けたマレーは、完全回復が間に合わずに男子シングルスには出場できず、兄ジェイミー(Jamie Murray、英国)とのダブルスは1回戦で敗退した。ラドゥカヌの棄権には落胆したといわれており、母親のジュディ(Judy Murray)さんはX(旧ツイッター)で、理解を示しながらもラドゥカヌの判断には「驚いている」と投稿した。

 7日のスン戦に2-6、7-5、2-6で敗れたラドゥカヌは、マレーにとって最後のウィンブルドンを台なしにしたことに後悔はあるかと問われ、「きのうの朝、起きたときに張りがあった。自分自身とシングルス、自分の体を優先せざるを得なかった」と答え、「もちろん、最後の試合を彼から奪いたくはなかった。それでも結局、同じ状況に置かれたら多くの選手が同じように自分の体を優先すると思う」話した。

「私はあの決断を後悔しない。もちろん、つらい決断ではあった」

 マレーはこの後、今月末開幕のパリ五輪でキャリア最後の公式戦に臨む予定となっている。(c)AFP/Steven GRIFFITHS