【7⽉8⽇ Peopleʼs Daily】北京市内、特にハイレベル自動運転モデル区の亦荘ではここ数年、自動運転の自動車をよく見掛けるようになった。このモデル区では、計29社の800台以上の車両が路上テストを許可され、テスト走行距離は累計3000万キロ近くに達した。

 亦荘にある国家コネクテッドカーイノベーションセンター(以下、「センター」)太和橋基地で、自動運転テスト車に試乗した。道路に出ると、安全員がハンドルから手を離した。加速、減速、カーブ、追い越し、並走――。第一印象は走り方の穏やかさだった。そして驚いたのは車の「知恵」だ。路面の交通指示線が多少曖昧でも、テスト車は普通に走行した。前方の横断歩道を歩行者が突然通り過ぎても、テスト車はレーザーレーダーで識別してブレーキをかけた。

 亦荘の自動運転テスト道路では、交差点で渋滞が発生すると信号機が渋滞情報を迅速にクラウドにアップし、さらにクラウドからコネクテッドカーに、より良い経路を探すよう指図する。モデル区には道側感知システム、交通信号制御システム、車路協同通信システムが配備され、車と道路、車と車の全面的な相互接続を実現している。

 今年2月末には京唐都市間鉄道の宝チ駅(「チ」は土へんに「氐」)と京津中関村科技城を結ぶコネクテッドカーの応用モデル路線が開通した。全長11.3キロで設計上の時速は70キロに達し、片道の所要時間は最短で18分だ。スマートコネクテッドバスは突発的な状況に速やかに反応し、歩行者と車両の検知、減速回避、停留所での自動停車などが可能だ。通過時間は47%短縮された。

 センターには22の専門実験室と一つの試作搭載センターが設けられている。走行試験装置に据えられた車は、まるでVRゴーグルを装着してランニングマシンを走っているようだ。大型スクリーンでさまざまな路面環境を再現することで、路上では2~3週間かかる試験を、ここでは1~2日に短縮できる。センターは中国全国から100万種以上のシーンを収集している。

 コネクテッドカーの試験は主にデジタルモデリング方式で構築される。運転感知、意思決定と計画、スマート制御などのアルゴリズムを検証するために、多くの状況を用意する必要がある。センターはすでに中国をリードする関連データベース、人と車の意思疎通環境、完成車の無線通信テスト環境を備えており、コネクテッドカー開発の全過程をカバーしている。企業はこのセンターを利用することで、研究開発費を70%節約できる。

 センターは関連する標準体系の制定も積極的に推進してきた。ある開発企業関係者は、「センターが一連の基準を発表したことで、情報安全性検査に根拠と努力の方向性を得られました」と述べた。センターは近年になり20項目以上の基準を発表し、「車・道路・クラウド一体化」の基準の体系を構築した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News