■現状は爆発寸前

 イツハク氏は、2018年には反汚職デモで首相の車列の前に飛び出し、自らの古巣である治安機関に拘束されたこともある。

「イスラエル軍は(パレスチナ自治区)ヨルダン川西岸(West Bank)を支配し、ガザを支配している。もうたくさんだ。解決策を見つける必要がある」と語る。

 ネタニヤフ首相は政権を維持するために和平プロセスを阻止し、ハマスを支えているとイツハク氏は非難する。「ネタニヤフは自分のこと、自らの汚職問題、政治的に生き残る方法にしか興味がない」

 また極右イタマル・ベングビール(Itamar Ben Gvir)国家治安相が警察を「私兵」のように使うことを、ネタニヤフ氏が容認し、テルアビブで毎週行われている反政権デモを妨害させているとも主張した。

 イスラエルの極右政党「ユダヤの力」の党首を務めるベングビール氏は、その過激的な思想でイスラエル軍から入隊を拒否され、治安機関の捜査対象でもあった。そのベングビール氏とネタニヤフ首相の忠誠関係に、イツハク氏は疑問を禁じ得ない。

「今日、イスラエルは内部から破壊されている。彼(ネタニヤフ首相)がすべてを破壊している」と述べるイツハク氏。ネタニヤフ氏が超国家主義者になびけばなびくほど、イスラエルの安全保障は弱体化すると指摘した。

 イツハク氏は「今はすべてが爆発寸前だ」とし、「ネタニヤフに言おう、辞任せよ。それがイスラエル国民にとって最大の助けになる」と強い口調で訴えた。(c)AFP/Jack Moore