【7月5日 AFP】イスラエルの最大都市テルアビブ(Tel Aviv)の陸橋の上で、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が率いる国の未来を憂える人々が、小規模の抗議集会を行っていた。

 通りがかる車はこの集団に向けてクラクションを鳴らし、陸橋の下をスクーターで通った男性は「裏切り者!」と叫んでいった。

 グループの中心人物はイスラエルの治安機関シンベト(Shin Bet)の元諜報(ちょうほう)員、ゴネン・ベン・イツハク(Gonen Ben Itzhak)氏(53)だ。

 イツハク氏はかつて、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の共同創設者の息子を情報提供者として取り込んだこともある。

 だが今は、ネタニヤフ首相と右派連立政権に反対し、街頭で声を上げている。

 イスラエル中部モディイン(Modiin)の自宅でAFPのインタビューに応じたイツハク氏は、「ネタニヤフはイスラエル国家にとって最大の危険人物だ。私は第2次インティファーダ(反イスラエル闘争、2000~05年)のときに大物テロリストたちを逮捕した。テロリストとは何かを知っている。ネタニヤフはイスラエルを破滅に引きずり込んでいる」と述べた。

 また、多くの人がネタニヤフ首相の退陣を望む理由の一つに「非常に重要な米国との関係を破壊していること」があると指摘し、武器供給をめぐる問題でジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に不満を表明したことを例に挙げた。