映画監督2人、不同意性交と性的虐待の訴えで拘束 仏警察
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【7月2日 AFP】フランス当局は1日、著名な映画監督のブノワ・ジャコー(Benoit Jacquot)氏(77)とジャック・ドワイヨン(Jacques Doillon)氏(80)について、不同意性交と性的虐待の訴えが起こされている事態を受けて身柄を拘束した。
俳優で映画監督でもあるジュディット・ゴドレーシュ(Judith Godreche)氏(52)は今年に入り、自身が未成年だった頃にジャコー監督から不同意での性交を強要され、ドワイヨン監督からも性的暴行を受けたとして正式に訴えを起こした。2人は共に容疑を否定している。
ゴドレーシュ氏はジャコー監督について、1986年から1992年まで「倒錯」的な関係が続き、不健全に「支配」されていたと主張している。86年当時はまだ14歳だった。
他にも、俳優のイジルド・ル・ベスコ(Isild Le Besco)さん(41)が、自身が16歳の時に当時52歳のジャコー監督との関係が始まり、交際期間の9年間に不同意での性交を強いられたと主張している。
情報筋によれば、俳優のジュリア・ロワ(Julia Roy)さん(34)も、ジャコー監督から「暴力を受け、道徳的に束縛される関係が数年間続いた」とし、その間に性的暴行を受けたと訴えている。
AFP記者は1日朝、弁護士を伴ってパリ市内の警察署に出向くジャコー、ドワイヨン両監督の姿を確認している。
司法筋によれば、両氏は2日夕方まで勾留され、告発者らの前で取り調べを受ける可能性もあるという。
検察当局は2人の勾留を認めたが、現時点では何の罪も確定しておらず、推定無罪の扱いであることを付け加えた。
ゴドレーシュ氏はインスタグラムに、25歳年上のジャコー監督の隣に並ぶ10代の頃の自分の写真を投稿し、「(問題と対峙するのに)必要な強さが自分にあるかは分からない。でも、強くあってみせる。彼女(幼い頃の自分)のために」と宣言している。
ゴドレーシュ氏の告発を受け、フランスでは、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)に対する告発運動「#MeToo(私も)」が再び勢いづいている。
同氏が映画業界の監視団体の設立を訴えた後、議会は5月、映画などの文化部門での性暴力やジェンダーに基づく暴力の実態を調査する委員会の創設を決議した。(c)AFP/Guillaume Daudin