今シーズン初のハリケーン、カリブ海に接近
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【6月30日 AFP】大西洋で今シーズン初となるハリケーン「ベリル(Beryl)」が勢力を強めており、カリブ海(Caribbean Sea)南東に位置する各国や地域で30日、警報が出された。気象当局は、ベリルがさらに大型化する恐れがあると警告している。
米国立ハリケーン・センター(NHC)によると、現在バルバドスの東方約850キロの海上にあるベリルは、7月1日早朝にウィンドワード諸島(Windward Islands)に到達の見込み。「生命を脅かす強風と高潮」をもたらすとみられている。
NHCは、ベリルがカリブ海諸国に直撃する頃には「危険な大型ハリケーン」になると指摘した。
NHCの最新情報によると、バルバドス、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、グレナダにはハリケーン警報が発令され、マルティニーク(Martinique)、トリニダード・トバゴ、ドミニカには熱帯暴風雨警報もしくは注意報が出されている。
バルバドスの首都ブリッジタウンでは、ガソリンスタンドに車が並び、スーパーマーケットや食料雑貨店は食料や水などを買い求める客で混雑していた。
NHCによると、30日午前2時時点で、ベリルは最大風速40.23メートル近くに達し、さらに強い突風も観測された。NHCは、一部では風速が警報値より30%強まる可能性があるとしている。
大型ハリケーンは「シンプソン・スケール(Saffir-Simpson Hurricane Scale)」でカテゴリー3以上に分類され、風速は約49.72メートル超。
専門家によると、こうした強力な嵐が6月初旬から11月下旬まで続く大西洋のハリケーンシーズンの初期に発生するのは極めて珍しい。
米海洋大気局(NOAA)は5月末、今年はカテゴリー3以上が最大7個発生する「異常な」シーズンになるとの見通しを発表していた。(c)AFP