上海市が世界への影響力持つ科学技術革新センターに急速変貌中
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【6⽉29⽇ Peopleʼs Daily】上海市当局は科学技術革新と体制とメカニズム革新の二輪駆動により、同市を世界への影響力を持つ科学技術革新センターに急速に変貌させつつある。
上海市では国産大型航空機、国産クルーズ船、深宇宙や深海の探査、クローンサル、単染色体真核細胞といった科学技術の成果が次々に発表されている。人口1万人当たりの高価値発明特許保有件数は50.2件で、全国トップの状態が続いている。
5月15日には、国家重大科学技術インフラプロジェクトである上海シンクロトロン放射施設が国家検査に合格した。稼働が始まれば上海における関連する実験研究能力が飛躍的に向上することになる。上海放射科学センターの趙振堂(Zhao Zhentang)主任は同施設について「中国内外のトップレベルの学者と優秀なチームが集結します。われわれは現在、より強い放射を追い求めています」と語った。
上海市では、2014年には3.4%だった社会全体の研究開発投資がGDPに占める割合が、2023年には4.4%にまで上昇した。上海市では、光子、生命、人工知能(AI)などの科学技術の重要分野でのインフラ建設が加速しており、国が関与する研究施設は80か所を超えた。
科学技術の急速発展には、体制改革が欠かせない。上海市当局は2023年、大学や研究機関、科学技術人材などが注目する分野に焦点を絞り、行政側による許認可などの権限や制約を撤廃する18条を施行した。社会全体の革新と創造の活力をさらに引き出すための策だ。
上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)科学技術発展研究院の曽小勤(Zeng Xiaoqin)院長は、「新たな措置により、実績ある研究者はより意欲的になり、研究者は長期安定の資源投入メカニズムにより、腰を据えて長期的に取り組むことができます」と述べた。
上海市では三大先導産業とされる集積回路、バイオ医薬、AI関連に80万人以上が携わっている。2023年には上海の三大先導産業の規模が1兆6000億元(約35兆1000億円)に達し、経済統計の対象となる一定規模以上の企業による工業総生産額のうち、戦略的新興産業の総生産額が43.9%にまで高まった。
上海市には現在、500を超える各種のイノベーション起業支援施設があり、入居している企業やチームは約3万ある。ハイテク企業の総数は2万4000社を超える。上海張江ハイテク産業開発区には1平方キロメートル当たり1社の上場企業がある。
中国共産党上海市委員会の陳吉寧(Chen Jining)書記は、「上海は科学技術の革新の策源地となることに注力し、科学技術革新による新たな質の生産力、中核的競争力を揺らぐことなく求め、世界に影響力を及ぼす科学技術革新センターとしての建設を力強く推進して、新たな飛躍を達成する」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News