ロシア大富豪、スイスUBSを独で提訴 虚偽情報の通告で
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【6月18日 AFP】ロシアのオリガルヒ(新興財閥)で、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の盟友とされるアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)氏は、スイス金融大手UBSが同氏のマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑を捜査している当局に自身に関する「根拠のない」情報を提供したとして、UBSを相手取りドイツで訴訟を起こした。ウスマノフ氏の代理人弁護士が17日、明らかにした。
ウスマノフ氏は、UBSが欧州事業の統括拠点を置くフランクフルトの裁判所に提訴した。UBSは2018~22年の日付のある10数件の同氏に関する文書を警察に提出したと指摘。「故意に誤った内容を盛り込んだとは言えないまでも、ばかげており、根拠を欠いている」もので、銀行の守秘義務や契約に違反していると主張している。
弁護士は、UBSが「虚偽情報」を当局に持ち込んだ結果、ウスマノフ氏に対する「政治的な捜査」が始まり、欧州連合(EU)による制裁の対象とされるに至ったと主張。それに伴い同氏は金銭的な打撃を受け、評判も大きく毀損(きそん)されたとしている。
ドイツでは、ウスマノフ氏はマネーロンダリングと税逃れの疑いで捜査された。警察はその一環で2022年にUBSの施設を家宅捜索。同じ年に同氏が所有する、約6億ドル(当時のレートで約760億円)とされた豪華ヨット「ディルバル(Dilbar)」号を差し押さえた。ただ同氏はヨットは自身のものではないとしている。(c)AFP