中国競泳の薬物問題、3選手は過去にも陽性 報道
発信地:ニューヨーク/米国
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【6月15日 AFP】中国の競泳選手23人が2021年東京五輪前のドーピング検査で陽性となりながら五輪出場を認められていた問題で、うち3人はその数年前に実施された別の検査でも禁止薬物が検出されていたと、米紙ニューヨーク・タイムズが14日に報じた。
報道によると、そのうち2人が東京五輪の金メダリストで、1人が現世界記録保持者だといい、2016年と2017年の検査で禁止物質のクレンブテロール(clenbuterol)に陽性反応を示していたという。
中国当局は、3人が汚染された食べ物を誤って摂取したとして、処分は下さなかったと説明。世界反ドーピング機関(WADA)も同日声明を発表し、問題の3選手から検出されたクレンブテロールの値は、現在同機関が定めている最低報告レベルの「6分の1から50分の1」のものだったとしている。
ワールドアクアティクス(World Aquatics、世界水連)はこの件を把握していたものの、中国側の説明を受け入れて特に措置は取らなかったと、同紙は伝えている。
中国の競泳選手をめぐっては今年4月、2021年の東京五輪前に実施された検査で23人が心臓の治療薬トリメタジジン(trimetazidine)に陽性反応を示していたことが発覚し、スポーツ界を揺るがせた。
中国側は、選手たちが同物質が混入した食べ物から意図せず摂取したと主張しているが、米国反ドーピング機関(USADA)は、WADAと中国反ドーピング機関(CHINADA)による「隠蔽(いんぺい)の可能性」を指摘している。(c)AFP