【6月14日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が約20年前にイタリア南部プーリア(Puglia)州の州都バーリ(Bari)に贈った聖ニコラス(Saint Nicholas)像のそばにあるプーチン氏の署名が入った銘板が最近、物議を醸している。

 現在、プーリアから数十キロ離れた同州のリゾート、ボルゴエニャツィア(Borgo Egnazia)では、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの巨額の資金支援の合意に向けて先進7か国(G7)首脳会議(サミット)が開かれている。

 ロシアは2014年にウクライナ南部クリミア(Crimea)半島を一方的に併合したことで、主要8か国(G8)から排除された。さらに2022年にウクライナ侵攻を開始したことで、西側諸国との関係には大きな亀裂が入った。

 正教徒に人気の巡礼地、聖ニコラス大聖堂(Basilica of Saint Nicholas)前に立つ像は、そうした出来事よりもずっと前の2003年に寄贈された。

 プーチン氏の署名が入った銘板には「この像が偉大なる聖人に対するロシア人の崇敬のみならず、友好と協力関係の強化を目指す両国民の絶え間ない願いの証しとなるように」と書かれている。

 ウクライナ侵攻以来、プーチン氏の贈り物はバーリでも論争の種になっている。銘板の撤去を求める署名には、1万8000人筆が集まった。

 だが、バーリ市民にとって特別な存在である聖ニコラス像そのものの撤去については、これまで一度も議論になったことがない。

 婚約者と共に大聖堂を訪れた地元在住の男性は「バーリ市民とロシア国民の友好と団結を象徴する素晴らしい像だと思う」と語った。

 地元で飲食店を営む女性(32)はAFPに対し、「聖ニコラスは私たちの心の中にいるのだから、絶対に撤去されることはない」と語った。

 さらに、この像は信仰や宗教だけでなく文化の象徴でもあると述べ、「聖ニコラスは私たちの守護者だ」と続けた。(c)AFP/Gildas LE ROUX