【6月13日 AFP】中国の李強(Li Qiang)首相は13日、6日間の日程でニュージーランド、オーストラリア両国歴訪を開始した。両国ともにインド太平洋地域での中国の影響増大に神経をとがらせている中、中国首相として7年ぶりの訪問を通じ、貿易分野などで関係改善を図りたい考えだ。

 李氏はこの日、ニュージーランドの首都ウェリントンに到着。直後に声明を出し、貿易・投資、観光分野での機会拡大を目指す意向を示した。

 今回の訪問についてビクトリア大学ウェリントン校(Victoria University of Wellington)の地政学専門家、ジェフリー・ミラー氏は、ニュージーランドが参加を検討している米英豪の安全保障枠組み「オーカス(AUKUS)」をめぐり、参加すれば失うことになる貿易面での「ニンジン(見返り)」を李氏がちらつかせてくる可能性が高いと予想している。

 李氏は今後、同国経済の中心地オークランド(Auckland)に移動し、15日午前にオーストラリア南部アデレード(Adelaide)に飛ぶ。同地は、豪中関係安定化に尽力しているペニー・ウォン(Penny Wong)外相の出身地。また、有名なワイン産地バロッサバレー(Barossa Valley)の玄関口でもある。

 中国はこれまで、豪州産のワイン、石炭、木材、大麦、牛肉を対象に輸入制限を課していたが、最近になって緩和。ただ、ロブスターに対する制限は残っている。(c)AFP