【6月10日 AFP】スイスで9日、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を達成するための一環として、再生可能エネルギー発電の促進を目的とした新法の是非をめぐる国民投票が行われ、約69%近い支持で承認された。

 昨年議会を通過した「再生可能エネルギーに基づく安全な電力供給」に関する法は、ほとんどの環境保護団体から支持されている。

 国際環境NGO「グリーンピース(Greenpeace)」は、原子力発電はもはや「時代遅れ」であることを意味する結果だと指摘。スイスの電力会社アクスポ(Axpo)に対し、「二つの原子炉とベズナウ(Beznau)原子力発電所の迅速かつ最終的な停止期限を設定する」よう求めた。

 同法は、現在スイスの発電量全体でわずかな割合しか占めていない風力発電と太陽光発電を増やし、また水力発電を早急に増やすことで、輸入電力への依存を軽減することを目的としている。

 また建物の屋根や外壁へのソーラーパネル設置も想定しており、風力タービンや大規模な太陽光発電設備の計画許可も緩和される。

 一方、一部の小さな環境保護団体を含む批判派は、新法で大規模な発電プロジェクトが迅速に進められれば、スイスアルプスの自然の風景が発電用風車やソーラーパネルで覆われかねないと懸念を示している。(c)AFP/Agnes PEDRERO