全仏OP初制覇のアルカラス、ナダルやジョコの影は追わず 並ぶのは「不可能」
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【6月10日 AFP】9日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2024)の男子シングルスで初優勝を飾ったカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)が、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と同じレベルの成功を収めるのは「不可能」に思えると話した。
アルカラスは6-3、2-6、5-7、6-1、6-2の逆転で第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)に勝利し、四大大会(グランドスラム)3勝目を挙げた。21歳にして全てのサーフェスでグランドスラムを制すのは史上最年少の記録となった。
ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は引退し、ナダルも今季限りでラケットを置くことが濃厚で、ジョコビッチもこれまでと比べれば低調なシーズンを送っている中、ここからはアルカラスが男子テニスを席巻していく可能性もある。
しかし、すでに歴史をつくりつつあるアルカラスにとっても、ナダルの全仏OP優勝14回や、ジョコビッチの男子シングルス最多グランドスラム24勝までの道のりは遠い。本人も「どちらも普通ではない記録だ」と認め、「成し遂げるには宇宙人にならなきゃいけない。ラファの14勝は実質的には不可能だ」とコメント。「グランドスラム24勝もできればうれしいが、ほぼ不可能だ。どちらも常軌を逸している」と続けた。
「決勝の前にコーチ(ファン・カルロス・フェレーロ<Juan Carlos Ferrero>氏)に言われたのは、3回目のグランドスラムのタイトルを勝ち取るために、これまでの経験を生かして戦う必要があるということだった。グランドスラムで勝つ難しさを分かっているはずだと。それをジョコビッチは24回も達成している。信じられない。今はそのことは考えられない」
この後アルカラスはグラス(芝)コートシーズンに向かい、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2024)では連覇を狙う。それでもアルカラスは、この夏に再びローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープンの会場)で行われるパリ五輪もすでに見据えている。五輪の男子ダブルスでは、38歳のナダルとのペアで出場することも期待されている。
アルカラスは「五輪のために戻ってきたら、いろいろと思い出すだろう。自分にとっての初めての五輪が、ローラン・ギャロス初優勝から40日後にあるのはすごくいいことのはずだ」と続け、「本当に戦いたい。国にメダルをもたらすために戦い、自分のアイドルであるラファ・ナダルとダブルスでプレーしたい。戦いたい。ここへ戻ってくるときは、特別な気持ちになるはずだ」と話した。(c)AFP/Jed Court