中国新エネルギーの「生産能力過剰論」は全くの偽命題
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【6⽉11⽇ Peopleʼs Daily】経済法則を考えれば、新エネルギー分野についてのいわゆる「中国の生産能力過剰論」は全くの偽命題と分かる。
需要と供給の不均衡はしばしば発生する。問題を解消に導くのは主に市場による調節だ。中国製の電気自動車(EV)、リチウムイオン電池、太陽光発電製品などの輸出が増えているが、これは国際分業と市場の需要の結果だ。輸出が多い原因を生産能力の過剰に求める論法は成り立たない。そもそも、各国の生産が国内需要だけに対応するのならば、国境を越えた貿易は存在しない。
世界的なグリーン生産能力は実際には過剰ではなく、大幅に不足している。国際エネルギー機関(IEA)によると、2030年にはEVなど新エネルギー車に対する全世界の需要量が2022年の4.5倍の4500万台に達する。太陽光発電の新規設備需要は2022年の約4倍の820ギガワット分に達する。130を超える国と地域が炭素排出削減の目標を掲げたことで、世界の需要は生産能力をはるかに上回る状況となった。中国のグリーン生産能力をもってしても追いつかない状況だ。
ある国がある分野の商品の生産について「優位」ならば、その国はその商品を外国に輸出し、それ以外の国はそれ以外の「得意分野」の商品を生産すれば、各国そして世界の経済はより良い状態になる。これが経済学の「比較優位理論」であり、人為で変更できない法則だ。だからこそ自由貿易が支持される。中国の新エネルギー製品の競争力が比較的強いのは、産業が早く整備され、長期的な研究開発投資により技術力が高まり、さらに超巨大市場や豊富な人材資源により、総合的な競争力が形成されたからだ。すなわち、市場法則が作動した結果だ。
中国の新エネルギー産業に「生産能力過剰」のレッテルを貼る根底にあるのは保護主義だ。つまり、人為的に貿易障壁を設けて中国の輸出を制限するための口実を設けているわけだ。口では「不公正貿易と非市場行為」を理由に中国を批判するが、実際には自らが経済問題を政治化し、非市場行為で自由貿易を妨害している。その目的は競争を自国にとって有利にすることだ。しかし、保護主義は自らの経済状態もより良くすることがない。産業チェーンの安定性と円滑さを破壊し、世界経済のグリーンモデル転換と新興産業の発展を妨げるだけだ。スイス紙のノイエ・チューリッヒャー・ツァイトゥングは、中国の「生産能力過剰」に対する不満は偽善的かつ近視眼的だと指摘し、不平を言うよりも競争に向き合い、平等な市場参入を推進し、質が高く安価な製品によって利益を得るべきだと論じた。
下心を持って「生産能力過剰」を騒ぎ立て、人をつまずかせておいて自らだけが駆け抜けようとする行為は、道徳的でも現実的でもない。中国は各方面と共に、公平な競争、開放と協力という市場経済の基本準則を堅持し、世界の低炭素モデル転換に貢献することを望んでいる。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News