中国企業が浮体太陽光発電施設の建設などで、インドネシアのグリーン発展を後押し
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【6⽉10⽇ Peopleʼs Daily】赤道直下のインドネシアは世界最大の群島国家で、海域面積が広く太陽エネルギー資源が豊富だ。同国政府は2060年までに太陽光発電をクリーンエネルギーによる電力供給の最大の柱に発展させる計画だ。
同国の国家重点戦略プロジェクトのチラタ浮体太陽光発電施設の総容量は192メガワットで、2023年11月に全容量送電を実現した。同プロジェクトを請け負ったのは中国電力建設集団(中国電建、Power China)の傘下企業である華東勘測設計研究院だ。
チラタ浮体太陽光発電施設には計13面の水上浮体式太陽光発電アレイ(発電パネルの集合体)が用いられている。各アレイは長さ約430メートル、幅230メートルで、計2万8000枚以上の太陽光発電パネルで構成される。施設全体の発電量はインドネシアの新エネルギー発電量の25%を占める。年間発電量は30万メガワット時に達する見込みで、約5万世帯にクリーン電力を供給できる。
同プロジェクトは現在までに、現地で8000人以上の雇用を創出した。プロジェクト現場マネージャーの唐粒鈞(Tang Lijun)氏によると、地元従業員の多くはこれまで農業や漁業など「天候頼みの仕事」に従事してきたので、収入は不安定だった。プロジェクトで働くことで収入は大幅に向上し、最大で5倍になった。そして建設工事終了後も取得した技能を生かして施設の運営維持に従事したり、他のプロジェクトで仕事をしたりすることができる。
プロジェクトではまた、専門家を現地の学校に派遣して太陽光発電の知識を普及させ、現地政府と協力して大学生をインターンの形式で受け入れて、人材を育成してきた。インターンとして参加している大学生のヨーガさんは、「辛抱強い指導で助けていただきました。大学では学べない知識や経験をたくさん学ぶことができました」と語った。
中国とインドネシアの再生可能エネルギー協力は近年、チラタ浮体太陽光発電施設以外にも著しい成果を上げている。中国電建が請け負って同国北スマトラ州(North Sumatra)バタントル(Batang Toru)に建設された水力発電所ではダムが完成した。中国企業の天合光能はインドネシア側と、同国初の太陽電池・モジュール生産拠点を建設する文書を締結した。
インドネシア政府エネルギー鉱物資源省鉱産物石炭地熱資源センターのアグン・プリバディ(Agung Pribadi)主任は、同国のカーボンニュートラル目標の実現を支援する上で、中国は重要な役割を果たすとの見方を示した。
インドネシア国際戦略研究センター中国研究センター責任者のベロニカ・S・サラスワティ(Veronika S. Saraswati)氏は、チラタ浮体太陽光発電施設はインドネシア初の高速鉄道であるジャカルタ・バンドン高速鉄道に続き、インドネシアと中国の「一帯一路(Belt and Road)」共同建設の枠組みにおけるもう一つの象徴的なプロジェクトと説明し、両国は必ずや全面的な戦略パートナーシップを強化し続け、互恵と協力・ウィンウィンをより良く実現していくと述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News