新疆の砂漠に作られた温室で、イネの「60日間生育」に成功
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【6⽉7⽇ Peopleʼs Daily】中国農業科学院の研究チームはこのほど、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)ホータン地区(Hotan Prefecture)の砂漠に作られた温室でのイネの急速生育試験栽培に成功した。同院都市農業研究所の王森(Wang Sen)研究員は、「今回試験栽培したのは新疆現地のイネ品種の『新稲1号』で、迅速に生育させる技術方法を採用しました。今年2月にイネの苗を多層立体無土栽培槽に植えたのですが、それから収穫まではわずか60日でした」と説明した。
中国では、国内南部で栽培する場合も北部で栽培する場合でも、水稲は成長までに平均で120~150日がかかる。ホータンの砂漠の温室で栽培されたイネはなぜ、成長期間を大幅に短縮できたのか。
中国農業科学院都市農業研究所の楊其長(Yang Qizhang)首席科学者が率いる研究チームは2021年、四川省(Sichuan)成都(Chengdu)市内の植物工場でイネの生育期間を半減し、さらに季節に関係なく通年で栽培する、農業技術を飛躍的に向上させる試みに成功した。
植物工場での稲作には本来、コストが高い問題がある。楊氏は「迅速な生育でコストを大幅に削減できる技術を模索してきました。また、新疆のホータン地区には広大な砂漠があり、自然の光熱資源が極めて豊富なので温室の建設用地確保と運営のためのコストが比較的低いわけです」と説明した。
チームはホータンでの栽培に当たって、正確に調合された栄養液を土壌の代わりに用いた。さらにマルチスペクトルLED光源と環境調整技術により光制御と温度制御を行った。チームは2年以上の試験を経て、砂漠にある温室内でイネの急速生育を実現するための技術を獲得した。
楊氏が率いるチームはイネの生育期間の半減を実現した後、同じ温室で大豆、トウモロコシ、小麦、油菜、綿花、アルファルファなどの作物の急速生育の技術を獲得する試験を展開している。
楊氏は、「ホータンの砂漠温室でイネを急速生育させる試験が成功したことは、砂漠の温室内という環境での作物の急速生育が完全に実行可能であることを証明したことを意味します。砂漠温室で1年に複数回の作物の生育を実現するために有効な手段を提供できました」と述べた。また、低コスト、高効率、省エネの要素がそろった砂漠に作られた温室の有効性も実証された。砂漠における農業用温室は新エネルギーなどの技術と結び付けて建設コストや運営コストをさらに大幅削減することも可能だ。今後は、国際的にも強い競争力を持たせることが期待できる。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News