野犬の殺処分唱える法案に抗議デモ トルコ
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【6月3日 AFP】トルコ政府が野犬を殺処分する法案を作成したことを受け、最大都市イスタンブールで2日、数千人が抗議デモを行い、「虐殺反対」とシュプレヒコールを上げた。
政府は、野犬を捕獲して不妊手術を施し、30日以内に新たな飼い主が見つからなければ殺処分する法案を作成した。
当局によれば、国内の野犬は400万匹に上る。さらに同国は、世界保健機関(WHO)によって狂犬病の「リスクが高い」国に分類されている。
この数か月、野犬が原因とされる交通事故や、野犬に襲われたとされる事例がソーシャルメディアで多数拡散されている。
レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が率いる公正発展党(AKP)は、国内の野犬の数を減らし、野犬が人を襲う事態を防ぐには、こうした改革が必要だと主張している。
法案についてデモ参加者の一人は、「これは(動物の)殺害を推し進める法律だ」と訴え、「次は猫だと思う」と話した。
別のデモ参加者は、「悪質なプロパガンダ」だと指摘し、エルドアン氏が「国民を分断」して「再び権力を強化」しようとしているとの見方を示した。
今年3月の統一地方選では、イスタンブールや首都アンカラでAKPは主要野党に敗北した。(c)AFP