メキシコ初の女性大統領誕生へ 左派与党シェインバウム氏 出口調査
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【6月3日 AFP】2日に行われたメキシコ大統領選の出口調査で、左派与党「国家再生運動(MORENA)」のクラウディア・シェインバウム(Claudia Sheinbaum)前メキシコ市長(61)の勝利が確実な見通しとなった。メキシコ初の女性大統領誕生となる。
女性候補同士のほぼ一騎打ちとなった。世論調査会社エンコール(Enkoll)によると、与党候補シェインバウム氏の得票率は約58%で、野党連合のソチル・ガルベス(Xochitl Galvez)上院議員の29%を大きく上回った。
シェインバウム氏は自らの投票後、「歴史的な」選挙になると宣言。自分の闘いを認めてくれたMORENAのベテラン女性政治家イフィゲニア・マルティネス(Ifigenia Martinez)氏(93)のために投票したと述べた。
メキシコでは毎日約10人の女性や少女が殺害されている。票を投じた女性たちは、政界頂点のガラスの天井が破られる見通しとなったことに歓声を上げた。
メキシコ市で清掃の仕事に就く女性(55)は「多くの女性がパートナーに従属させられている。働くために家を出ることも許されない」とし、「女性大統領が誕生すればこの国は変わる」と期待を示した。
シェインバウム氏の人気は、MORENAに属するアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)現大統領に負うところが大きい。ロペスオブラドール氏の支持率は60%を超えている。ただ、メキシコ大統領は1期6年で、再選は禁じられている。
食品を売る屋台で働く女性(50)は、MORENAが 「高齢者や子どもに多くの支援を行ってきたから 」シェインバウム氏に投票したと語った。
一方、政治と麻薬カルテルなどによる犯罪、汚職が密接に絡み合うメキシコでは、選挙期間中の流血事件が常態化しており、連邦議会選や地方選が同時に行われた今回も大量の軍兵士が警備に就いた。選挙期間中、全国で少なくとも25人の候補者が殺害された。
シェインバウム氏は、「銃弾ではなく抱擁を」とうたうロペスオブラドール氏の方針を継承し、犯罪根絶に取り組むと公約している。(c)AFP