ロシア、動員兵帰還求める妻の団体を「外国の代理人」に指定
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【6月1日 AFP】ロシア法務省は5月31日、動員兵の帰還を求める運動を行っている女性団体と、平和主義を掲げて大統領選への立候補を届け出ていた元市議会議員を「外国の代理人」に指定した。
政府は体制批判を排除する際、旧ソ連時代に多用された外国の代理人を適用している。
法務省は、ウクライナ紛争に動員された兵士の帰還を求めてモスクワで抗議活動を組織している「プット・ドモイ(Put Domoy)」を外国の代理人に指定した。同団体は、徴兵されてウクライナの戦地に送り込まれたロシア兵の妻たちが中心となっている。
法務省はプット・ドモイについて、ロシアおよびロシア軍の「マイナスイメージ」を生み出し、違法な抗議活動を呼び掛けたと主張。運動を主導する一人、マリア・アンドレーエワ(Maria Andreyeva)氏についても外国の代理人に指定した。
当局は、ウクライナで戦っている兵士の家族や妻からの反発を避けるため、同団体を標的にすることには消極的とみられていたが、草の根運動の顔となっていたアンドレーエワ氏は、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)にとって目障りな存在になってきていた。
アンドレーエワ氏はAFPに対し、「納得できない」「抗議する」と語った。
政府は他に、3月の大統領選でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏の対抗馬として出馬を目指した元市議会議員、エカテリーナ・ドゥンツォワ(Yekaterina Duntsova)氏についても外国の代理人に指定した。
ドゥンツォワ氏は、ウクライナ紛争の終結を政治要綱に掲げ、無所属での立候補を届け出ていたが、書類の不備を理由に却下され、政党を結成する意思を表明していた。
外国の代理人に指定されると、公職に就くことができなくなる。
ドゥンツォワ氏は、政党結成を諦めるつもりはないが「これからは少し難しくなる」と話した。(c)AFP