【5月31日 AFP】国連総会(UN General Assembly)は30日、ヘリコプター墜落事故で死亡したイランのイブラヒム・ライシ(Ebrahim Raisi)大統領を追悼した。だが、米国がボイコットするなど西側の反発も起きた。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は1分間の黙とうの後、5月19日の墜落事故でライシ師と共に亡くなった犠牲者の遺族とイラン国民に哀悼の意を表した。

 国連総会では加盟国の元首が在任中に死亡した場合、追悼するのが慣例となっている。昨年2月にはナミビア独立の旗手だったハーゲ・ガインゴブ(Hage Geingob)大統領、2011年には北朝鮮の金正日(Kim Jong Il)総書記も追悼した。

 今回のライシ師への追悼では、西側諸国の代表は誰も演説せず、フランスや米国のように参加をボイコットした国もあった。

 国連米代表部の広報を担当するネイト・エバンス(Nate Evans)氏は「国連はイラン国民と共にあるべきだ。ライシ師は1988年の政治犯数千人の超法規的殺人など、数多くの恐ろしい人権侵害に関与した」「記録されている最悪の人権侵害のいくつかは、彼の在任中に行われた」と強く批判した。

 米ニューヨークの国連本部前では、イランの反体制派数十人が 「国連の恥 」とシュプレヒコールを上げた。

 イスラエルのギラド・エルダン(Gilad Erdan)国連大使もライシ師追悼を非難した。

 エルダン氏はライシ師の死亡が確認された今月20日、国連安全保障理事会(UN Security Council)の冒頭で1分間の黙とうが行われた際にもこれを非難し、X(旧ツイッター)への投稿で「残虐行為を防ぐために設立された国連が、今日では大量殺りくを行う独裁者に敬意を表している!」と批判した。(c)AFP