(c)news1
(c)news1

【05月30日 KOREA WAVE】韓国全羅南道麗水(チョンラナムド・ヨス)で1200坪に達する花畑を作り、7年目にして成功した帰村生活を続けている農業従事者の女性がいる。主人公は「花の部屋、屋根裏部屋」のクァク・ウンオク代表(40)だ。

クァク代表は、灰色のフードシャツとジーンズ、白い手袋を着用し、ピンクの長靴を履いたまま花畑を耕していた。

彼女は23種類の花から茶を作り、このうち椿や木蓮、梅などの花を砂糖や蜂蜜に漬けて熟成させ飲料や甘味料を開発するなど、収益を上げている。

麗水のクァク・ウンオク代表(c)news1
麗水のクァク・ウンオク代表(c)news1

2020年全南創造経済センターで開かれたコンテストで大賞を受賞し、潜在力と可能性が認められ「MZ農業従事者」のロールモデルと評価されている。

◇日常に疲れて

クァク代表は故郷の麗水で高校時代まで過ごし、2003年、江原道(カンウォンド)で大学を進学した。理由は簡単だ。家から遠く離れたかったという。

(c)news1
(c)news1

大学を卒業してソウル暮らしを始め、出版社などで勤めながら社会人としての第一歩を踏み出した。新たな環境で仕事をするときめきと喜びも大きかったが、毎日続く夜勤を含む日常が繰り返されるのに、少しずつ疲れていった。

仕事をしていた机の片隅にはコーヒーが置かれており、疲れで昼夜を問わずコーヒーばかり飲んだ。職場には女性社員が大多数で、昼休みに集まってコーヒーを飲むことが多かった。

そうするうちにある社員が持ってきた花茶を飲んでから、昼休みはコーヒーから「花茶文化」にがらりと変わった。

「厳しい日常にコーヒーより花茶を飲んで、この瞬間だけでもヒーリングと余裕を楽しもう」

皆が同意した。

しかし、日常はお茶を飲む瞬間以外に大きな変化はなかった。ソウル暮らしが辛かった彼女は「自分でお茶を作ってみようか」という考えで15年間の都会暮らしを終えて故郷に帰ってきた。

(c)news1
(c)news1

◇ヒーリングと癒しの農場

事業基盤と知識が不足していた。クァク代表は、母親が経営する畑や農場で数カ月間雑草を抜いて花を見ながら考えにふけった。厳しいソウル暮らしより山と海の美しい風景を見ながら過ごす時間はそれなりに満足できた。

苦心の末に「ヒーリングと癒しの農場を作ってみよう」と決意し、2018年から本格的に花茶事業に乗り出した。

農業技術センターや創造経済センターなどを訪れ、事業計画書を提出し、公募展やコンテストに参加するなど、活発に活動した。

この過程で青年支援金2000万ウォン(約220万円)を獲得し、花の開発、教育、ブランド化、特許登録などの事業を推進した。

現在、収穫する花だけで23種類だ。最も割合が大きい椿を始めハマナス、カモミール、キンセンカ、無窮花、マリーゴールド、梅、ローゼル、ビオラ、菊、山葵、セージ、キンセンカ、マンダリン、ステビア、バジル、ミント、ペパーミント、チャービル、タイム、ローズマリー、アップルミント、レモンバームなどだ。

クァク代表は2022年から少しずつ収益を出し始め、年間売り上げが5000万ウォン(約550万円)に達する。特にツバキを含む一部の花は加工して飲料や甘味料を開発・販売中だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News