中国では国産のAIビッグモデルが産業の発展を加速
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【6⽉4⽇ Peopleʼs Daily】中国ではAIビッグモデルの発展が加速している。大まかな統計によると、国産大型モデルは現在までに200を超え、多くの業界や分野での応用が広がり続けている。国家インターネット情報弁公室の最新発表によると、中国では3月までに117の生成型AIサービスが登録された。
国務院発展研究センターの劉世錦(Liu Shijin)元副主任は、「中国には超巨大市場が存在する強みがあり、新技術の応用との相互作用が発生することで、デジタル経済の発展でより多くのチャンスがもたらされました」と説明した。
AIビッグモデルは「クラウド側モデル」と「端末側モデル」に分類できる。クラウド側大型モデルが主に産業からの需要に対応するのに対して、端末側モデルは主に個人ユーザーにサービスを提供する。中国のメーカーは今年になり、AIビッグモデルを搭載した家電やスマート端末製品を続々と発売するようになった。
携帯電話を製造販売する栄耀(HONOR)が今年初めに発表した次世代型OSで使用できるAIビッグモデルでは、「スマート問い合わせ」の月間使用量が1500万回、1日では最高85万回に達した。携帯電話でのAIビッグモデルの導入では、通話内容の要点の抽出や、携帯電話との「会話」で素材を自動的に選んで動画コンテンツを生成するなどが実現しており、携帯電話の機能に飛躍をもたらす「新たなエンジン」になると期待されている。
AIビッグモデルはコネクテッドカーへの展開と応用を加速している。AIビッグモデルによりスマートコックピットでの人との対話がより自然になり、車内外の人と物をより正確に識別でき、自動運転システムの効率と安全性が高まる。
中国ではAIビッグモデルの産業化と応用が、AI産業の重要な強みの一つになっており、そのことがAI発展の加速を推進する鍵になっている。
中国情報化百人会の執行委員も務める、IT大手の阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)傘下の阿里雲(アリババクラウド、Alibaba Cloud)の安筱鵬(An Xiaopeng)副総裁は、「AIビッグモデルはさまざまな産業での応用が定着する一方で、製品の競争力の飛躍的向上を促進し、新たな付加価値を創造することができます」との見方を示した。より広範で複雑なシナリオでプロセスや意思決定を最適化し、企業の革新を効率化することができるという。
中国信通院AI研究センターの巫彤寧(Wu Tongning)副主任は、「多くの革新的応用が登場したことで、AIを利用したソフトウエアおよびハードウエアを支援する体系に対して、より高い需要が喚起されました」と説明した。中国では新技術によるAIビッグモデルへの需要増が、演算力、アルゴリズム、データ関連の発展をけん引しつつある。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News