パレスチナ国家承認「中東和平に不可欠」 スペイン首相 イスラエル猛反発
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【5月28日 AFP】スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は28日、パレスチナ国家の承認は中東和平の実現に「不可欠」な一歩だと述べ、アイルランド、ノルウェーと共に正式にその一歩を踏み出すと述べた。
スペイン、アイルランド、ノルウェーの欧州3か国は同日、パレスチナ自治区を国家として正式に承認する。一方、イスラエルはこの決定について、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)への「報酬」だと非難している。
サンチェス首相は閣議前の短い演説で、パレスチナ国家の承認は「歴史的な正義」であり、「和平実現に不可欠な要件」と主張。「平和な未来、すなわちパレスチナ国家がイスラエル国家と平和で安全に共存する未来を実現する唯一の方法だということを誰もが認識している」と述べた。
また、パレスチナ国家の承認については、イスラエルの生存権を認めず、昨年10月7日の対イスラエル攻撃でガザ紛争を引き起こしたハマスを拒絶するスペインの姿勢を明確にするものだとも説明した。
パレスチナ国家承認を表明した3か国は、その動きが象徴的影響をもたらし他国にも広がることを期待している。
一方、イスラエルのイスラエル・カッツ(Israel Katz)外相は同日、スペインの動きに猛反発し、サンチェス首相はユダヤ人に対する「ジェノサイド(集団殺害)を扇動する共犯者」と非難した。
X(旧ツイッター)への投稿では、「川から海まで自由を」という親パレスチナ派のスローガンを語ったスペインのヨランダ・ディアス(Yolanda Diaz)第2副首相を、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師、ハマスのパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)トップ、ヤヒヤ・シンワル(Yahya Sinwar)氏と並べ、同じく「ユダヤ人虐殺を扇動するパートナーだ」と厳しく批判した。(c)AFP