【6月9日 AFP】(更新)全仏オープンテニス(French Open 2024)は8日、女子シングルス決勝が行われ、大会第1シードのイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)が第12シードのジャスミン・パオリーニ(Jasmine Paolini、イタリア)を6-2、6-1で下し、3年連続通算4度目の大会制覇を果たした。

 世界ランキング1位のシフィオンテクは、今回が初の四大大会(グランドスラム)決勝となったパオリーニを圧倒し、わずか68分で一蹴した。グランドスラム通算では決勝で負けなしの5勝目。全仏の他には2022年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2022)でグランドスラム優勝を経験している。

 全仏3連覇は2005〜07年のジュスティーヌ・エナン(Justine Henin、ベルギー)以来となる史上3人目の快挙となった。全仏制覇はこの5年間で4度目。優勝4回はオープン化以降の女子ではエナン、クリス・エバート(Chris Evert、米国)、シュティフィ・グラフ(Steffi Graf、ドイツ)に次ぐ記録で、23歳での全仏制覇4回は史上最多14回の優勝を誇る男子のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に並ぶペースとなっている。

 今大会は2回戦で大坂なおみ(Naomi Osaka)にマッチポイントを握られ、試合後のスピーチでも「敗退しかけた」と振り返ったが、そのピンチをしのいだ後はギアを上げてタイトルまでこぎ着け、「非常に気持ちが揺さぶられる大会だった」と話した。

 一方のパオリーニは、昨年までに出場した16回のグランドスラムで計4勝しかしていなかったが、1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)で4回戦に進出すると、今大会でも快進撃を披露。2010年大会を制したフランチェスカ・スキアボーネ(Francesca Schiavone)以来となるイタリア勢の優勝には届かなかったが、今大会ではサラ・エラーニ(Sara Errani、イタリア)とのダブルスでも決勝に勝ち残っており、有終を飾る可能性を残している。

 試合後にはシフィオンテクをたたえ、「ここであなたと対戦するのは、この競技で最も厳しい挑戦だと思う」と脱帽した。

 試合は互いに1ブレークずつ奪った後、全仏で20連勝、優勝した前哨戦のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2024)とイタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2024)からマッチ18連勝として決勝に臨んだシフィオンテクが再びブレークに成功して第1セット4-2とすると、その後は完全に主導権を握ってパオリーニに何もさせなかった。(c)AFP/Martyn WOOD