研究保護、教育啓発、地元活性化の三拍子を実現―四川・三星堆遺跡
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【6⽉1⽇ Peopleʼs Daily】中国・四川省(Sichuan)広漢市(Guanghan)にある三星堆(Sanxingdui)遺跡は20世紀における人類の最も重要な考古学的発見の一つとされ、今でも新発見があるたびに人々の情熱をかき立てている。現在の四川省は古い時代には蜀と呼ばれる国で、特に古い時代の四川は、古蜀と呼ばれる。三星堆遺跡への関心は、古蜀文化への関心でもある。
三星堆遺跡があるのは三星村だ。2021年末時点の人口は6242人で、うち5000人近くが三星堆遺跡の中核保護区である約3平方キロ以内で暮らしていた。遺跡の保護と農村の発展を両立するにはどうすればよいのか。三星村は2021年末、娯楽施設跡地を利用して三星堆文化をテーマとする三星村考古探索基地を設立し、専門家チームを導入して三星堆文化をテーマとする考古学教育の方法の開発に着手した。
三星村考古探索基地は、三星堆でもとりわけ重要な「祭祀坑」遺跡からわずか200メートルで、三星堆博物館からは1.5キロの距離だ。考古資源をどのように教育資源に転化するのか。若手考古学者らによるチームは「1日考古学者になろう」プロジェクトを開始した。チームの多くは北京大学(Peking University)の公共考古学修士課程の修了者で、中国全国の中高生を対象にした考古学体験キャンプなどを運営し、考古サークル連盟を設立するなどの経験を持つ。
三星村考古探索基地には、考古現場、制作工房、古蜀集落の三大体験施設が設けられている。中高生などの参加者は模擬発掘現場で教師から三星堆遺跡の説明を聞き、発掘調査の手順の説明を受けてから道具を手に取り、あらかじめ埋められていた青銅製の顔像や象牙製品のレプリカを発掘する。また、古蜀の職人の技法である型作り、鋳造、整形を学べば、中高生でも驚くほどの水準の青銅器のレプリカを作ることができる。古蜀の集落に足を踏み入れれば、古蜀人のように食物を入手して加工したり、糸を繰って布を織ったりするなどの当時の生活を体験できる。これらを通じて、簡略化されてはいるが「科学的発掘」「合法的発掘」「集落考古学」などの理念が伝わる。
三星村考古探査基地は少なくとも月に1度は小学生から高校生までを対象とする公益講座を実施して、三星堆や古蜀の文化を紹介している。同基地はまた、三星村当局と協力して村民大講座を開催して、住民に三星堆文化の内容と価値を伝えることで遺跡を保護する意義を理解してもらっている。基地の好調な発展は村民の雇用を促進し、村の文化や創作、飲食などの産業の発展をけん引するようになった。
中国では文化の要素を盛り込んだ観光が人気を集めるようになった。三星堆を旅先とする考古学関連を主たる内容にする旅行の人気も高まっており、三星村考古探索基地の有益な実践は地域の発展をけん引するだけでなく、「文化旅行」の発展に新たな構想と新たな道を提供している。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News