「ROBEAR」=理化学研究所(c)news1
「ROBEAR」=理化学研究所(c)news1

【05月27日 KOREA WAVE】韓国で末期がんの宣告を受けてリハビリ病院で治療中だったある高齢者が、介護者から暴行を受けた事件が世間を騒がせた。報道映像の中の看病人はこぶしで高齢者を殴り、高齢者は殴らないでほしいと懇願している。

技術の発展はこのような悲劇を防ぐことができるだろうか。

IT業界では介護ロボットの開発が活発になっている。ロボットは人と違って疲れず、その場の感情に振り回されて怒ることもない。記憶力は人より優れているため、患者をきめ細かくケアできるという利点がある。

◇求められる「人に近いAIケアロボット」

介護ロボット研究が最も活発なところは「超高齢社会」に突入した日本だ。日本は人件費も高く、看病ロボットがむしろ経済的だという評価も出ている。

日本の日立製作所が開発したコミュニケーションロボット「EMIEW4」は、身長約90センチの自動運転型。従来、案内業務を担うサービスロボットだったものを、介護ロボットの役割ができるように技術の高度化を進めている。

日本の理化学研究所はホッキョクグマに似た介護支援ロボット「ROBEAR」を開発した。体の不自由な患者をベッドから車椅子に移したり、立ち上がったりするのを手助けする。成人男性の体重に近い80キロまで耐えられるという。

ただ、高齢者介護は特定疾患に合わせる必要がある。高齢化によって介護の事例が多数発生する一方、その都度、特定の状況に合わせたロボットを作るのは容易ではない。結果的に看病ロボット市場にAIが加わり、人に近いAIケアロボットを作ることが重要だ。

産業通商資源省は今年1月、「第4次知能型ロボット基本計画」(2024~2028)を発表した。2030年までに官民で約30兆ウォン(約3兆3000億円)を投資し、ロボット100万台を産業・社会の各分野に普及させる内容が盛り込まれた。

急速な高齢化と少子化の中で、高齢者の世話を人手だけに頼ることが容易ではない時代が近づいてくる。高齢者の介護問題はもはや一家庭だけの問題ではない。介護ロボットの研究に、より積極的な国家的支援が必要な理由だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News