【5月25日 AFP】欧州連合(EU)は24日、ナルバNarva川に設置されていたエストニアとロシアとの国境を示すブイをロシアが撤去したと非難した。

 EUのジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は「国境での今回の出来事は、バルト3国の海陸の国境などでのロシアの広範な挑発およびハイブリッド行動の一環」だと指摘し、「容認できない」と非難した。

 エストニアは23日、ロシアの国境警備隊が未明にブイを撤去したと発表。ロシアが2022年2月にウクライナ侵攻を開始して以来、国境地帯でロシアとの緊張が高まっていると主張した。

 エストニア国境警備隊によると、ブイは船舶の外国領への誤侵入を防ぐためのものだが、ロシアは以前から設置に異議を唱え、約半数の設置場所に同意していなかった。

 エストニアのカヤ・カラス(Kaja Kallas)首相は、ロシア側に説明を求めていると述べた上で、「恐怖と不安を生み出すために国境に関連したツール」を利用するというロシアの「広範な手法」の一環とみられるとの見解を示した。

 エストニア外務省は本件を「挑発的な国境事件」として扱っていると述べ、ロシアに対し、「こうした行動は容認できない」と伝え、ブイを「直ちに元に戻す」よう求める方針だと明らかにした。また、本件については同盟諸国と引き続き連絡を取っていくという。(c)AFP