米財務長官、富裕層への世界的な課税案に反対表明
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【5月24日 AFP】米国のジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官は23日、富裕層への世界的な課税に反対する意向を表明した。富裕層への世界的な課税は、今年の20か国・地域(G20)議長国のブラジルが提唱し、フランスも支持している。
イタリア・ストレーザ(Stresa)で開催中の主要7か国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席しているイエレン氏は記者団に対し、「すべての国に同意を求めて、気候変動とその影響に基づき各国に利益を再配分するような国際交渉には賛成できない」と述べた。
また、自身もジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領もこのような世界的な富裕税には賛成できないが、累進課税には賛成していると述べた。
バイデン政権は2025年予算で、保有資産1億ドル(約157億円)以上の「0.01%の超富裕層」について、所得に最低25%の課税を行うことを提案している。
イエレン氏はこれを引き合いに出し、「よって米国内の超高所得者に最低限の課税はもちろん、合理的な水準の課税を行うことに異論があるわけではない」と説明。米政府は「低所得国や新興市場国が財政支援を必要としていること」を認識していると述べた。
ブラジル政府が提案している世界の富裕層への課税は、フランスの経済学者ガブリエル・ズックマン(Gabriel Zucman)氏の研究に触発されたもの。
ズックマン氏は、世界のビリオネア(保有資産10億ドル以上)3000人にその財産の少なくとも2%に相当する課税を行えば、年間2500億ドル(約39兆円)を確保できると主張している。
フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は23日放映された米CNBCテレビのインタビューで、世界的な富裕税は「国際的に有意義な議論」だとし、ブラジルと共にこの構想を「推進する」と述べた。
ブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)仏経済・財務相も、世界の富裕層に対する最低限の課税案は、G7財務相・中央銀行総裁会議の優先事項の一つだと述べた。(c)AFP