【5月22日 AFP】メキシコ人画家フリーダ・カーロ(Frida Kahlo)の作品や遺品を所蔵するメキシコ市の博物館は、米歌手マドンナ(Madonna)さん(65)が同市を訪れた際にフリーダ・カーロの衣服やジュエリー類を貸し出したことはないと述べた。

 マドンナさんは4月下旬、ツアーを行ったメキシコでフリーダ・カーロの「家」を訪れたとして、ショールと刺しゅう入りのドレスを着た写真をインスタグラムに投稿。「私の永遠のミューズの家を訪れた際の素晴らしいお土産」と記した。

 さらに「彼女の衣服やジュエリーを試着したり、日記や手紙を読んだり、見たことのない写真を目にしたりできたことは、私にとって魔法のように魅力的だった」と書き添えた。

 この画像に対し、ユーザーからはさまざまな反応が起きた。あるユーザーは「私たちメキシコ人は、自分が生まれたいところで生まれると言われる。マドンナは(米国の)ミシガン州の生まれだけど、とてもメキシコ人らしい」と支持した。

 一方、一般人がマドンナさんのようなチャンスを与えられることはないと指摘する意見もあった。

「私はメキシコ人だが、メキシコ人には決してそんなこと(マドンナさんと同じこと)をさせないと断言できる」という人もいた。

 しかし、フリーダ・カーロ博物館は「マドンナさんがさまざまなソーシャルメディアで公開した衣服、写真、オブジェはカサ・アズール(同館の愛称)が所蔵するコレクションではない点を明確にしたておきたい」と発表。また、所蔵する服や宝飾品は「厳重な保存対象」であり、「個人の使用のために貸し出すことはない」と付け加えた。

 フリーダ・カーロ博物館は、1954年に47歳で亡くなったフリーダ・カーロが36年間暮らした生家を改装し一般公開している。外壁が青く塗られていることから、スペイン語で「青い家」を意味する「カサ・アズール」と呼ばれている。

 日刊紙レフォルマによれば、マドンナさんが投稿した写真は、フリーダ・カーロの親族の家を個人的に訪問した時に撮影された。(c)AFP