【5月21日 AFP】バルト3国リトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス(Gabrielius Landsbergis)外相は20日、ウクライナを支援する西側諸国は供与している兵器に付けた制限を解除し、ウクライナにもっと自由にロシア領内の標的を攻撃させるべきだと主張した。また、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macro)仏大統領のウクライナに軍事教官を派遣する案を支持するとも述べた。

 ランズベルギス氏は仏テレビ局LC1のインタビューで、「われわれはエスカレーションと見なされかねないという理由で、ウクライナに制限を課すという間違いを最初から犯してきた」と述べ、西側諸国は「ロシアへの恐怖に支配されていた」と指摘。

「ウクライナは供与された装備品を使って戦略目標を達成することを認められるべきだ。ロシアの領土、サプライチェーン(供給網)、ウクライナに攻撃する準備を進めている軍部隊への攻撃ができなければならない」と強調し、「一方のみがルールを課されている」「われわれがつくったこうしたルールを撤廃しなければならない」と訴えた。

 また、2022年の侵攻開始前まで行われていた西側の軍事教官のウクライナへの派遣を再開し、新兵の訓練を効率化すべきだとも述べた。「例えばウクライナ国内での同国兵の訓練などで、リトアニアはフランス主導の連合に再参加する用意がある」と述べた。

 ランズベルギス氏は「まず自国がリトアニアに防空部隊を配備し、それから他の同盟諸国に輪番を務めるよう説得することで、フランスは実際にリーダー的地位を得ることができるだろう」とも述べた。

 だが、中国に要請してロシアに戦闘停止圧力をかける案については、中国依存につながりかねないとして反対した。

「この世にただのランチは存在しない、中国は必ず対価を要求してくるだろう」とし、「自分たちで問題を解決せず、中国にウクライナ紛争の解決を求めれば、欧州安全保障の鍵を中国の手に渡すことになる」と主張した。(c)AFP