【5月21日 AFP】山梨県富士河口湖町で21日、観光客に人気の富士山撮影スポットで眺望を遮る巨大な幕の設置工事が始まった。近隣住民から、主に外国人観光客によるごみのポイ捨てや私有地への立ち入り、交通ルール違反などのマナーの悪さに対する苦情が相次ぎ、同町は「目隠し」の設置に踏み切った。

 コンビニエンスストアのローソン(Lawson)から車道を挟んで向かいの狭い歩道から、同店舗越しに富士山を撮影した写真は、ネット上に拡散されている。

 先月に目隠しの設置が発表されると、大きな話題を集めた。

 以降、富士山の眺望を遮るため、高さ2.5メートル、幅20メートルの黒い遮光ネットを設置する金属製の支柱を立てる工事が進められてきた。

 当初は、必要な資材の到着が滞ったために目隠しの設置工事が遅れ、その間にも絶好の撮影スポットを訪れる観光客は後を絶たなかった。

 現場のAFP記者は、21日朝に最終段階の作業が行われ、ネットの設置作業が開始されたのを確認した。

 自治体や地元住民は、観光客が来てくれるのはありがたいが、安全確認なしでの道路横断や赤信号の無視、違法駐車、指定された場所以外での喫煙をする人は迷惑だと訴えている。

 町の職員は先月、AFPの取材に対し、ルールを守れない一部の観光客のために、このような措置を取らなければならないのは残念だとし、交通標識や警備員による警告では改善できなかったと説明した。

 近隣の歯科医院は観光客に無断で車を駐車されたり、写真撮影のために屋根に登られたりしていたため、目隠しの設置は同医院を守ることにもつながる。(c)AFP/Caroline GARDIN