【5月20日 AFP】23-24イングランド・プレミアリーグは19日、第38節の試合が行われ、リバプール(Liverpool FC)はウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(Wolverhampton Wanderers)を2-0で下し、退任するユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は有終の美を飾った。

 アレクシス・マック・アリスター(Alexis Mac Allister)とジャレル・クアンサー(Jarrell Quansah)のゴールで勝利したリバプールだったが、サポーターがクロップ監督への敬意を表す中で試合は余興のようなものだった。

 今年1月に退任を表明していたカリスマ的なドイツ人指揮官は、サポーターと強い絆を結んでおり、通路を出てきた際には熱烈な歓迎を受けた。

 サポーターは、一つには「ユルゲン」、もう一つには「ダンケ(ドイツ語でありがとう)」と記されたコレオグラフィーをつくり、クラブのアンセムである「You'll Never Walk Alone」が歌われる中で、多くの人々がクロップ監督の名前が書かれたマフラーを掲げた。

 試合終了後には選手がつくった通路を通ってピッチに戻ると、前に「ありがとう」、後ろに「I"ll Never Walk Alone Again」と書かれたトップスを着て、大観衆に呼び掛けた。

「終わりという気がしない。まさに始まりのような気分だ。きょう私は、チームが才能、若さ、創造性、欲望、貪欲さに満ちたプレーをするのを目にした。それは成長の一部であり、もちろん必要なことだ」

「私が疑いの目を向ける人たちを信者に変えたと言われるが、それは真実ではない。あなたたちがそうした。信じることをやめろとは誰もあなたたちには言わない」

「私たちにはこの素晴らしいスタジアム、トレーニング施設、そして世界のサッカー界で強大な力を誇るあなたたちがいる」

「私を歓迎してくれたように、皆さんは新しい監督(アルネ・スロット<Arne Slot>氏)を歓迎する。あなたは信じ続ける。チームを後押しする。私は今やあなた方の一人だ。心から愛している」

「ありがとう。皆さんは世界最高のチームだ。ありがとう」

 2015年に就任したクロップ監督の下、リバプールは2018-19シーズンに欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)を制覇し、6度目の欧州王座に輝いた。

 その翌シーズンには30年ぶりのリーグ制覇となる初のプレミアタイトルを獲得。国内リーグでは通算19回目の優勝となり、クロップ監督はリバプールのレジェンドの仲間入りを果たした。

 在任期間ではその他FAカップ(FA Cup)を制し、イングランド・フットボールリーグカップ(England Football League Cup)では2度の優勝も果たした。(c)AFP