【5月17日 AFP】メキシコの首都メキシコ市にある小さなタコス店「エル・カリファ・デ・レオン(El Califa de Leon)」がこのほど、ミシュランガイド(Michelin Guide)の一つ星を獲得した。店主は「愛と努力」のたまものだと話した。

 14日創刊の「ミシュランガイド・メキシコ」では、18軒のレストランが一つ星もしくは二つ星を獲得した。

 メキシコ市サンラファエル(San Rafael)地区にあるエル・カリファ・デ・レオンは家族経営の老舗。一度に数人入れる広さしかなく、メニューは4種類のタコスのみ。

 ミシュランのウェブサイトには「このタコス店は5人前後の客が立ち食いをするスペースしかない必要最低限の店構えだが、提供する牛肉のタコスは格別だ」との紹介文が掲載されている。

「薄切りの牛肉は注文を受けてから見事に調理され、味付けは塩とライムのみ。同時に、別の調理人がトウモロコシのトルティーヤを準備する。この二つの組み合わせはシンプルかつピュア」だと評している。

 同店は店主のマリオ・ヘルナンデス(Mario Hernandez)さん(66)の両親が50年以上前に開いた。

 感極まった様子のヘルナンデスさんは「父は『肉の秘密が知りたいか?秘密なんてない』ただ『愛と努力』があるだけだと話していた」と語った。

 父親からは、「人生は山も谷もある運命の輪」のようなものであるから、品質、接客、値付けに常に気を配るよう教えられたという。

 15日には、オフィスワーカーなどの常連客よりも、一つ星獲得を知った記者や食通が多く押し寄せた。

 調理を学ぶ男子学生(19)は「とっても美味しい」とし、今回の国際的評価は「当然」だと話した。(c)AFP/Jennifer Gonzalez Covarrubias