【5月17日 AFP】スロバキアのロベルト・フィツォ(Robert Fico)首相(59)が銃撃された事件を受け、ベルギーのラジオ司会者が番組内で、自国のアレクサンダー・デクロー(Alexander De Croo)首相(48)に対する銃撃をあおるような発言をした。首相報道官は16日、デクロー氏がこの司会者を刑事告訴したとX(旧ツイッター)で明らかにした。

 問題となっているのは、フランダース(Flanders)地方のラジオ局「ワレヘム1」の司会者の発言。スロバキアでフィツォ氏が銃撃されたニュースの後、リスナーに対し、デクロー氏のことも「やってしまえ」「やつの周りには警備がいるが、構わずやろう」と呼び掛けた。

 ワレヘム1は声明で、運用停止処分を受けたと明らかにした上で謝罪。「不適切な発言」をした司会者を直ちに停職処分にしたと発表。

「司会者は冗談のつもりで言ったと述べているが、そのようには伝わらなかった」「彼はリスナーに謝罪している。タイミングと文脈を完全に見誤ったこのような発言をしてはならなかったと、ワレヘム1は考えている」と述べた。

 オランダ語圏自由党の党首でもあるデクロー氏は現在、来月の総選挙と欧州議会選を前に選挙活動を行っている。

 スロバキアのフィツォ氏は15日、同国中部ハンドロバ(Handlova)で銃撃され、手術を受けた病院で深刻な容体にある。警察は71歳の作家とされる「単独犯」を殺人未遂の疑いで逮捕した。(c)AFP