【5月16日 AFP】フランスの裁判所は15日、主要ワイン産地ボルドー(Bordeaux)地方で9か所のシャトーを保有している中国人富豪が同国国有銀行からの借り入れをマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、シャトーを没収する判決を下した。

 この富豪は大連海昌集団(Dalian Haichang Group)の曲乃傑(Qu Naijie)董事長(会長、63)で、執行猶予付き3年の禁錮刑と100万ユーロ(約1億6800万円)の罰金も科された。

 検察は執行猶予付き4年の禁錮刑と60万ユーロ(約1億100万円)の罰金を求刑していた。

 海昌集団は貿易・海運のほか、不動産や観光・娯楽、農業を手掛ける複合企業。2010年代初めにボルドーのシャトーを買収した。

 しかし2018年、中国の国有銀行大手、中国工商銀行(ICBC)パリ支店からの3000万ユーロ(約50億円)の借り入れなどに絡む脱税や文書偽造の証拠が見つかり、仏警察によってシャトーは差し押さえられていた。

 中国の国家審計署(NAO、会計検査院に相当)は、海昌集団に対しては外国の技術導入に充てるため公的資金が供与されたにもかかわらず、その資金でフランスのシャトーを購入したと指摘している。(c)AFP