中国とフランスの科学技術協力が新たな段階に
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【5⽉18⽇ Peopleʼs Daily】フランスは1978年、西側国家として初めて中国と政府間科学技術協力協定を結んだ。両国は40年以上にわたって科学技術の革新や人材育成などでの協力を続け、多くの成果を収めてきた。
エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領が2023年4月に訪中した際、中国は研究用に月土壌サンプル1.5グラムを贈呈した。中仏の宇宙分野の協力には深い基礎がある。両国政府は1997年に「宇宙空間研究と平和利用協力協定」を締結した。2018年10月には両国の政府間協力として初めて開発された中仏海洋衛星の打ち上げに成功した。
今年6月に中仏が共同開発した科学衛星が打ち上げられる予定で、中仏の科学者が連携して宇宙におけるガンマ線バーストを探ることになる。このほど打ち上げられた嫦娥6号(Chang’e-6)には、フランスによるラドンガス探知機が搭載されて、月からの揮発物の放出と拡散を研究するために用いられている。同件はフランス初の月面での宇宙プロジェクトであり、中仏初の月探査協力だ。
中国とフランスは科学研究人材の交流を絶えず推進している。2023年5月には中仏科学研究パートナー交流計画がスタートし、両国の科学技術人材、特に若手人材により多くの協力のチャンスを提供することになった。
フランス国立科学研究センター(CNRS)は公式サイトを通じて、「中国は過去10年間の科学研究への大量投資、多くの研究者の育成、国内外の人材の誘致、国際協力の積極的な展開により、科学分野で世界トップの仲間入りを果たした。フランスと中国のニュートリノやガンマ線バーストなどの先端科学技術分野での協力が着実に推進されていることは、双方の科学技術協力の一層の強化に有益だ」と表明した。
最近では第15回中仏科学技術協力共同委員会がフランスで開催され、双方は気候変動やカーボンニュートラル、環境と生物多様性、健康・高齢化、理論化学などの重点分野での協力をさらに推進することで合意した。
科学技術革新の力強い担い手は企業だ。中仏企業は航空宇宙、原子力、高速鉄道などの従来からあった協力分野に加えて、デジタル経済、再生可能エネルギー、有機農業などの新分野に至るまで、交流と協力を強化してイノベーションの活力を引き出し、技術の進歩を共に促し、中仏の経済貿易協力に新たな力を注入している。
フランスのトゥールーズ(Toulouse)に本社を置くエアバス社(Airbus)は、今年1月に成都(Chengdu)市内に建設した「エアバス航空機全ライフサイクルサービスセンター」の操業を開始した。さらに、エアバスA320のアジアにおける2本目の生産ラインが天津市(Tianjin)で建設中だ。2023年4月には中国とフランスの企業36社がグリーン、イノベーション、航空、新エネルギーなどの分野で18項目の協力協定を締結した。中国とフランスの経済協力では、科学技術の比重が極めて大きい。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News