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【05月13日 KOREA WAVE】韓国で、横領・背任などの罪で起訴された被告が裁判の途中で保釈される場合、性暴力、未成年者誘拐前科者などに装着する位置追跡装置である「電子足輪」を装着することが確認された。

すでに刑を終えて出所したが、再犯する恐れがあるため監視を受けなければならない凶悪犯罪者と、法廷で有罪・無罪を争っている被告を同一に扱うということだ。裁判中の被告が逃走する事例が相次いでいる中での特段の措置だが、人権侵害の可能性を懸念する声が出ている。

法務省は最近、電子保釈関連業務指針を変更し、被害額が5億ウォン以上の詐欺・横領・背任など特定経済犯罪加重処罰法(特経法)違反罪の被告とチョンセ(借家保証金)詐欺など被害者を多数発生させた罪に問われている被告に対して電子足輪を装着することができるようにした。最近、電子保釈の対象者が電子足輪を破損して逃走したことによる措置だという。

電子保釈は、拘束起訴された被告に対して電子装置の装着を条件に保釈を許可する制度だ。不拘束裁判の原則を実現し、矯正施設の過密化問題を解消するために2020年8月に導入された。

電子保釈は被告の出席を担保できるため、裁判所の立場でも保釈許可を増やせる理由になった。これまで拘束起訴された被告のうち、5%にも満たない人にだけ保釈が許可された。裁判が終わる前に被告が逃走する恐れがあるというのが「不拘束裁判」原則が適用されなかった最大の理由だった。

「電子装置の付着などに関する法律施行令」によると、電子装置は足首または手首に装着するよう規定している。制度施行当時、法務省はスマートウォッチ方式の腕時計型を打ち出した。だが、法務省は業務指針により暴力・傷害など凶悪犯罪の被告に電子足輪を装着させ、電子足輪着用犯罪を拡大してきたことがわかった。

特に多重被害犯罪の場合、チョンセ詐欺「等」と規定され、この指針を根拠に資本市場法違反の被告に電子足輪をつけた事例もあるとされる。「等」に該当する他の多重被害犯罪が何かは地域保護観察所が決定する。

法曹界では、犯罪予防効果と厳正な意志を強調した法務省の苦肉の策を理解しながらも、有罪が確定していない被告を「危険な犯罪者」とみなして、一律に社会的“烙印”効果の大きい電子足輪を装着させるのは人権侵害ではないかという指摘が出ている。

ある大手法律事務所の弁護士は「有罪が確定していない企業家らが保釈され、電子足輪をつけたまま取引先と会って裁判を受け、拘束期間が満了し電子足輪をつけずに裁判を受けるのは公平性の観点からも問題だ」とみる。

裁判過程で拘束された企業家らが電子足輪装着を余儀なくされるため、保釈をあきらめる場合もある。ややもすると企業活動にも支障をきたす可能性もある。

法曹界関係者は「電子足輪ですべての電子監督をしている法務省と保護観察所の運営上の便宜を理由にしたようだ。運営システムが電子足輪に全て合わせているために、さらに手首型装置を購入し別途システムを構築するのに費用が多くかかるからだ」と話した。

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