【5月13日 CGTN Japanese】中国中部の湖南省張家界市慈利県で先ごろ、電動自転車に乗った少年が転倒して足に重症を負い、大量失血でショック状態になっていたところ、通りかかったタクシーの運転手がすぐにその少年を近くの病院に搬送しました。病院までの距離は普通、車で9分かかりますが、わずか3分で到着したということです。

 防犯カメラが撮った映像によると、午前1時46分ごろ、少年は電動自転車に乗って慈利県の零陽街道を走っていた途中、仮設バリケードに衝突し、倒れて起きることができませんでした。

 当時、タクシーの運転手・向小朋さんがちょうどこの区間を通っていました。向さんは「パチン」という音を聞いて、少年が倒れているところを見ました。「さっそくUターンした。少年は足首に長い傷があり、地面は血だらけだった」と、向さんは当時の様子を話しました。

 向さんはすぐにけがをした少年を車に乗せ、近くの慈利県人民病院に搬送しました。「とりあえず少年を病院に連れて行かなきゃ。他のことは考えていなかった」と向さんは言いました。向さんは少年を病院に搬送した後、一刻も休まずに医者を呼び、車椅子を探してきて少年を乗せました。

 病院での検査の結果、少年は足の甲の動脈が破裂したことが分かりました。慈利県人民病院の医師の話によると、少年の傷口は足の甲の外側にあり、長さは8~10センチで傷口は深く、足の骨が見えるほどでした。適時に治療しなければ、命に危険が及ぶ可能性があったとのことです。負傷した少年は急診室に運ばれた時から汗をかき、喉が渇き、落ち着かず、顔色が青ざめ、血圧が低く、ショック症状と診断されました。

 少年は適時に応急手当を受けたため、命に別状はありませんでした。しかし、足のけがが完全に回復するにはまだ時間がかかりそうです。事故を起こした少年は今年16歳。転倒した原因は目に突然虫が飛び込み、手でこすり、頭を下げていた数秒で仮設バリケードにぶつかってしまい、当時は立ち上がることもできませんでした。「このタクシーのおじさんにタイミング良く救助してもらい助かった。心から感謝している」と少年は言いました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News