【5⽉14⽇ Peopleʼs Daily】中国とフランスは国交を樹立して現在までの60年間、それぞれの強みを十分に発揮して、手を携えて豊かなエネルギー科学技術革新の成果を収めてきた。

 中国政府は1982年にフランスの協力を得て大亜湾原子力発電所を建設することを決めた。中国はその後、100人以上の技術者をフランスに派遣して研修を受けさせ、原子力発電所の運営を学ばせた。その経験は中国の技術者の急速な成長を後押しし、中国の原発事業を加速させた。

 中国とフランスは21世紀になると改めて原子力分野で提携し、新世代型の欧州加圧水型炉(EPR)の技術を採用した広東省(Guangdong)の台山原子力発電所(Taishan Nuclear Power Plant)を共同建設した。世界で初のEPRだった。

 原子力発電以外にも、最近では中国石油化工(シノペック、SINOPEC)と仏トタルエナジーズ(TotalEnergies)が廃棄油脂を利用したバイオ航空燃料を共同生産することで合意した。従来の航空燃料と比べ、バイオ航空燃料は二酸化炭素排出量を最大で50%以上削減できるとされる。シノペックは中国を、トタルは欧州を代表する航空燃料メーカーの一つだ。この「強者連合」は世界の航空業界の低炭素化を後押しするに違いない。

 石油ガス関連に詳しい中国国際問題研究院の汪巍(Wang Wei)研究員によると、トタルは中国の渤海湾、北部湾(トンキン湾、Gulf of Tonkin)、南海(South China Sea)、黄海(Yellow Sea)、珠江口盆地、タリム盆地の探査に参加して、中国におけるエネルギー資源の多元化に協力した。トタルと中国の同業者は互いに経験や技術を参考にし、中東、アフリカ、中南米、カナダで良好な協力関係を構築し、ウィンウィンを実現しているという。

 中仏はクリーンエネルギー分野でも盛んに協力している。フランス北西部のグロワ島から十数キロ離れたところにある約20平方キロの海域では、中国広核集団(中広核、CGN)のフランス浮体式洋上風力発電先導モデルプロジェクトが進められている。同社幹部は、「欧州は2030年に累計50ギガワットの浮体式洋上風力発電機を設置する予定です。中広核はフランス側パートナーのエオルフィと共に、グロワプロジェクトでは確かな科学技術力を示しました。将来は欧州全体で洋上風力発電をけん引し、欧州のクリーンエネルギー開発に貢献します」と話した。

 中国国内の洋上風力発電で抜きん出ているフランス企業はフランス電力(EDF)だ。同社と中国の国家エネルギー集団が協力して建設・運営する江蘇東台5期洋上風力発電プロジェクトは2021年11月に全容量の送電に成功し、外資合弁企業による洋上風力発電の先駆となった。

 フランス電力は中国国内での太陽光発電も手がけている。今年4月初めには同社の完全子会社である法電新能源が天津港保税区で太陽光発電を開始した。総設備量は5.4メガワットで、二酸化炭素の年間排出削減量は4500トン以上に達する見込みだ。法電新能源は現在、中国の20以上の省でグリーン発電を行っている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News