【5月4日 AFP】イタリア・ポンペイ(Pompeii)遺跡にある「秘儀荘(Villa of the Mysteries)」の屋根瓦には、太陽光パネルが設置されている。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されている古代都市遺跡の伝統的な景観を保ちながら、再生可能エネルギーで電力を供給し、建物内部のフレスコ画に明かりをともしている。

 イタリアの照明メーカーAhlux社は、伝統的なテラコッタ風の色合いで塗った「ソーラー瓦」を製造している。同社は2022年にこのシステムの特許を取得した。

 同社の創業者であるアウグスト・グリッロ(Augusto Grillo)氏によると、瓦の平らな部分に太陽光パネルが収められ、透明のシートで保護されている。そして、瓦に埋め込まれている導線と太陽光パネルが接続され、電気を供給しているという。

 ポンペイの日照時間は、夏のピーク時に1日15時間を上回るという。遺跡内の他の建物でもこの瓦の使用が拡大される予定だ。

 プロジェクトはまだ初期段階だが、専門家らはこの「ソーラー瓦」が、いつかイタリア各地の歴史ある都市の緑化に役立つだろうと期待を寄せている。

 映像は4月15日撮影。(c)AFP