不安残るセーヌ川でのパリ五輪開会式、IOC会長「象徴的」と太鼓判
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【4月27日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は26日、仏パリのセーヌ(Seine)川で行われるパリ五輪の開会式について、野外パレードでの実施に安全上の懸念が指摘されているものの、「象徴的」かつ「忘れられない」ものになるだろうと述べた。
スイス・ローザンヌ(Lausanne)のIOC本部でAFPの独占インタビューに応じたバッハ会長は、「(フランス当局からの)非常に綿密でプロフェッショナルなアプローチにより、われわれはこの開会式がアスリートにとって、象徴的かつ忘れられないものになると確信している。全員の安心と安全が保たれるだろう」と語った。
7月26日に行われる非常に意欲的な開会式は、パリ五輪において最大の懸念事項の一つとなっている。五輪の開会式は陸上競技場でのパレードで競技の幕を開けるのが伝統となっているが、パリ五輪では周囲の建物からの見物人を含む50万人もの観客の前で、各国選手団が船でセーヌ川を下ることになっている。
イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した、3月のロシア・モスクワ郊外のコンサートホール襲撃事件で疑問にさらなる拍車もかかり、フランス当局は安全保障上の脅威から式典の移動や変更を余儀なくされると臆測が絶えない状況となっている。
フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は前週、会場をスタッド・ド・フランス(Stade de France)に変更する可能性について言及したが、大会組織委員会は一貫してこの選択肢を否定している。
バッハ会長は、「全員が開会式をセーヌ川で行うと決意している…それと同時に、あらゆる別のシナリオについても検討している」と述べた。(c)AFP