中国 名門大学の卒業生が火葬担当職員に応募して採用
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【4月26日 CGTN Japanese】中国では、南部の広東省広州市の民政局がこのほど発表した同局直属の事業体の採用内定者名簿がきっかけでインターネット上での議論が発生しました。名簿にある香港中文大学、華南理工大学、広東工業大学の大学院および学部卒業生3人の採用予定職種が、広州市葬祭サービスセンターの火葬担当職員だったからです。
3人のうち劉さんは、香港中文大学大学院の学歴で、専攻は哲学(仏学研究)でした。他の2人はそれぞれ、建築学を専攻して華南理工大学を、高分子素材と工学を専攻して広東工業大学を卒業しました。華南理工大学は世界の一流大学で国際的な知名度がある研究型大学をめざす「985プロジェクト」の対象大学で、広東工業大学は広東省の重点大学の一つです。
広州市民政局の職員は「火葬担当職員の求人の条件で、学歴は専門学校以上だ。今回の求人での応募は、本人の意志による。応募の手続きをした後に筆記試験、面接を経て、総合成績によって採用者が決まった」と説明しました。この火葬担当職員の採用ではほかにも広州市の常住戸籍、小型乗用車を運転できるC1以上の自動車運転免許証、2年以上に渡って働いた経験という条件もあります。また、勤務では遺体との直接の接触や搬送が必要で、夜勤もあるとのことです。
中国では、高学歴者が人気のない職種に応募するたびに、注目が集まります。今回はとりわけ、哲学専攻を卒業した大学院生が「生と死のテーマ」に密接にかかわる葬祭業につくことに対して、ネット上には「生死を看破することは哲学の最高の境地た」「生と死は哲学の重要問題なので、奇妙なことではない」「哲学と仏学の専攻は、遺族の気持ちをなぐさめるのに適している。ぴったりの仕事だと思う」などの書き込みが寄せられました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News