【4月22日 CGTN Japanese】中国東部の浙江省嘉興市海塩県に位置する中国国家核工業集団(CNNC)の秦山原子力発電所で20日、炭素の放射性同位体である炭素14の原子炉からの量産が成功しました。これは、中国が初めて商用原子炉で炭素14を量産したことで、中国国内で炭素14の輸入依存問題が完全に解消されたとみられます。

 中国はこれまで、炭素14の供給のほとんどを輸入に頼っており、高価に加え、安定した供給が保証されません。秦山原発の尚憲和総経理の紹介では、秦山原発は中国で唯一の商用重水炉を持つ利点を最大限に生かし、上海核工程研究設計院、中核北方核燃料元件有限公司などと連携して、炭素14同位体の自主開発と生産を行い、同位体応用産業チェーンの安定した発展にもつながるということです。

 浙江省原子力学会の李世生理事は、「炭素14は医学的、科学的な研究価値が高く、疾病の診断や新薬の開発、工業・農業など、複数の分野で広く応用されている。今回の量産成功は、今後、炭素14が中国国内での工業・農業・医療用の需要をほぼ満たすことができるから、輸入に依存せずに済むようになった」と述べました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News