イスラエルとウクライナへの防空支援に差 エストニア首相、西側に苦言
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【4月18日 AFP】バルト3国エストニアのカヤ・カラス(Kaja Kallas)首相は17日、西側諸国はイランがウクライナに発射したミサイルや無人機の撃墜を支援したにもかかわらず、なぜウクライナに同様の支援を行わないのかと問い掛けた。
イランは今月1日に在シリア大使館領事部がイスラエル軍に空爆されたことへの報復として13日、300を超える無人機とミサイルをイスラエルへ向けて発射した。だが、米英仏ヨルダン軍の支援を受けたイスラエルの防空部隊がほとんどを撃墜したため、被害は限定的に抑えられた。
この状況を受け、カラス氏は欧州連合(EU)首脳会議の開始前に報道陣に対し、EUの目前で起きているウクライナ侵攻について、「イランのイスラエルに対する攻撃を退けるために各国が行った協力を見るに、われわれにはもっとできることがあるはずだ」「ウクライナに同様の方法で防空支援を提供し、(ロシアによる)攻撃が通るのを防ぐことができるはずだ」と述べた。
カラス氏は率直なロシア批判で知られ、ウクライナ紛争では、欧州諸国のウクライナ支援強化の動きを主導している。
イスラエルに対する防衛支援に関しては、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領がやはり西側諸国に対し、イスラエルに対するものと同様の「団結」をウクライナに示すよう求めた。同国のドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相はさらに踏み込み、ウクライナも同様の防空支援を享受すべきだと提案した。
カラス氏もこれに同調し、西側がイスラエル支援で撃墜したのはイラン製無人機シャヘド(Shahed)で「日夜ウクライナを攻撃しているのと同じ無人機だ」と指摘。
「そこ(イスラエル)で撃墜できるのなら、ウクライナでも撃墜できるはずだ。われわれが協力すれば、実現可能だということを示している」と強調した。(c)AFP