【4⽉21⽇ Peopleʼs Daily】中国は、高齢者や外国人などに配慮した決済サービスの向上が進んでいる。現状はどうなのか。セルビア人ファッションデザイナーのデビッド・バン・デ・カンプ(David Van de Kamp)さんの「実体験」を追ってみた。

◾️3月27日午後3時 ホテル到着

 デビッドさんは3月28日から30日まで広東省(Guangdong)汕頭(Shantou)市内の汕頭博覧センターで開催された第3回潮汕国際紡績服装博覧会への参加などのために訪中した。

 ホテルにチェックインしたのは3月27日だった。金額を入力してカードをスワイプしてサイン。手続きはわずか数分だった。デビッドさんは「中国語はよく話せませんが、スムーズでした」と説明した。デビッドさんが使ったのはセルビアで作ったマスターカード(Mastercard)だ。ホテルの担当者は「昨年7月に国際POS機を導入して、マスターカードやビザカード(Visa)などでの支払いが可能になりました」と説明した。

 汕頭はアパレル業が盛んな都市だ。40キロ余りの間に関連企業が1万社以上も集中し、毎年18億5500万点の製品を世界に販売している。デビッドさんは「歩き回ってデザインのインスピレーションを得たいです」と言った。

◾️3月27日午後7時半 外出
 デビッドさんは街歩きに出掛けた。デビッドさんは「セルビアでの決済方法は主に銀行カードと現金です。中国ではソフト利用が便利です。私は中国の携帯電話番号を取得し、SNSの微信(ウィーチャット、WeChat)のアカウントを登録しました。セルビアの銀行カードと連動していて直接に決済できます。連動させるための手続きは、案内通りに操作し、パスポートの写真をアップロードして、検証手続きを通すだけでした」と話した。

 デビッドさんは配車アプリを使ってタクシーを呼び、汕頭小公園歴史文化街区まで乗った。料金は降車時に、ソフトを通じて口座から自動的に引き落とされた。デビッドさんの行った設定では、運賃支払いのために携帯電話を操作する必要すらない。今ではATMで人民元を引き出すのも便利だが、携帯電話決済を利用してからは、現金を使うことはほとんどなくなったという。

◾️3月27日午後8時 街歩き
 デビッドさんは衣料品店に入り、商品を研究した。「行くたびに、まず現地の衣料品店を見て回り、各地方の着こなし方や好みを体感するのです」とのことだ。

 デビッドさんは面白そうな軽食を見掛けると足を止め、携帯電話でスキャンした。デビッドさんは「多くの店では、店側が私のコードをスキャンします。道端の露店ではたいてい、私が店側のコードをスキャンします。中国では全体的に支払いの選択肢が多くて便利です」と述べた。

 POS機での支払いができる中国のホテルは増えつつあり、中国に来た外国人の業務を支援する拠点も急増中だ。外国人は今後も、カードと携帯電話アプリのひも付け、タクシーやホテルの予約、チケットの購入などに慣れ親しんで、さらに便利な中国滞在を体験できるようになるはずだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News