【4月16日 Xinhua News】中国では上場銀行が商業銀行の総資産の約8割を占め、実体経済を支える銀行業の中心勢力となっている。 

 上場銀行は2023年12月期決算を相次いで発表しており、各行の決算からは科学技術イノベーション、先進製造、グリーン(環境配慮型)発展、個人消費などの分野で貸出が顕著に伸びたことがわかった。上場銀行の貸出金の増加や貸出構造の改善が経済・社会の質の高い発展を力強く支えている。 

 23年も引き続き多くの上場銀行が貸出を強化した。中国工商銀行の本土での人民元建て新規貸出額は前年比3555億元(1元=約21円)増の2兆9千億元。中国農業銀行は2兆8500億元、中国銀行は2兆2800億元、中国建設銀行は2兆6600億元だった。

 製造業向け貸出は上場銀行が行う信用貸付の重点となった。23年末時点の製造業向け貸出残高は中国農業銀行が前年末比28・0%増の2兆9500億元、中国銀行は28・1%増えて2兆5千億元を突破した。

 科学技術型企業は貸出先としてますます人気を集めた。23年末時点の科学技術型企業向け貸出残高は中国建設銀行が24・1%増の1兆5300億元、中国光大銀行が50・6%増となった。 

 民間企業向け貸出の拡大も大きなトレンドとなった。23年末時点の民間企業向け貸出残高は中国建設銀行と中国農業銀行がいずれも5兆元の大台を超えたほか、中国銀行では前年末から約7900億元増加した。

 中国農業銀行の谷澍(こく・じゅ)董事長は「1~2月の民間企業向け新規貸出額は3千億元に迫り、伸び率は貸出全体の平均水準を上回った」と語る。政府活動報告で民間企業向け貸出の割合を引き上げる方針が打ち出されたことについては、資源配分に力を入れ、商品とサービスの刷新を図り、民間企業向け貸出の安定した増加を確保し、割合を持続的に高める方針を示した。

 専門家によると、貸出金は経済の構造転換と質の高い発展の方向に照準を合わせ、国民経済の重点分野へ加速度的に流入しており、経済の回復と好転を力強く支えている。

 内需拡大や消費振興を背景に、銀行業は個人向け融資の拡大にも力を入れ、消費市場の潜在力喚起を促し、経済の回復と好転を後押しするための原動力をもたらした。 

 23年末時点の個人向け貸出残高は中国農業銀行が1471億元(75・9%)増の3409億元、中国建設銀行が42・7%増の4216億2300万元だった。 

 国有大手行のほか、株式制銀行の個人向け融資も高い伸びを維持した。招商銀行の個人向け貸出残高は23年末時点で49・1%増の3015億3800万元となった。 (c)Xinhua News/AFPBB News