【4月15日 AFP】在シリア・イラン大使館を空爆したとされるイスラエルへの報復を表明してきたイランが13日、ついに大規模攻撃に踏み切った。これに対し米軍は多数のドローン(無人機)とミサイルを撃墜するなど、イスラエルを支援した。

 米当局者が、イランの攻撃に対抗するため米国が果たした役割について詳細を明らかにした。

■イランの攻撃

 米軍高官によれば、イランはイスラエルに対し、中距離弾道ミサイル100発以上、巡航ミサイル30発以上を発射するとともに、150機以上のドローン攻撃を仕掛けた。

 これに対し米軍は、アーレイバーク(Arleigh Burke)級ミサイル駆逐艦と駆逐艦カーニー(USS Carney)の2艦で弾道ミサイル4〜6発を迎撃。米軍機は70機以上のドローンを撃墜した。

 さらに、イラク北部アルビル(Arbil)周辺で、イスラエルに向けて発射された弾道ミサイルを地対空迎撃ミサイルシステム「パトリオット(Patriot)」によって撃墜したとしている。

 この間、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領はホワイトハウス(White House)の緊急対応室で逐次報告を受けた。

 ある政権高官は、「われわれが把握したところでは、発射された弾道ミサイルは一時100発を超えていた」「防衛の成果は、すべてが終わるまでは不明だった」と述べ、緊迫した状況にあったことを明らかにした。

■外交攻勢

 イランの攻撃に先立ち、ロイド・オースティン(Lloyd Austin)国防長官とアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官らは、イスラエルや他の中東諸国と「継続的な連絡」を維持した。

 中東を管轄する米中央軍(CENTCOM)司令官のエリック・クリラ(Erik Kurilla)大将は、中東から最新情報を即時に発信するとともに、イスラエルや他のパートナー国との調整役を務めた。

 米政府高官によれば、米国はイランとも「スイス経由のチャンネルを通じて直接対話」を維持していた。

 その一方で、国防総省関係者は先週、米軍が中東における防衛能力を増強したことを明らかにしていた。(c)AFP/W.G. DUNLOP