【4月14日 AFP】イスラエル軍は13日夜、同国に対するイランの無人機とミサイルによる攻撃が始まったと発表した。パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)におけるイスラム組織ハマス(Hamas)との戦闘が他の中東地域にも拡大した形だ。

 イスラエル各地で警報が鳴り、AFP記者は14日未明、エルサレム(Jerusalem)上空で爆発音を聞いた。

 イスラエル軍のダニエル・ハガリ(Daniel Hagari)報道官はテレビで、「イランは自国領土からイスラエルの領土に向けて無人機を発射した」と発表。「われわれは迎撃のため、米国および地域のパートナーと緊密に協力している」と語った。

 エルサレムでは人々が避難し、住民は水の備蓄を始めた。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、安全保障に関する緊急会合後、イスラエルに対する「鉄壁の」支援を表明した。

 在シリアのイラン大使館領事部が今月1日に空爆され、イラン革命防衛隊(IRGC)の幹部2人を含む隊員7人が殺害されたことに対する報復として、イランはイスラエルを攻撃する方針を示していた。米政府もここ数日、攻撃が差し迫っていると警告していた。

 革命防衛隊は、無人機と弾道ミサイルを使った攻撃が行われていると認めた。

 イランの首都テヘランにあるパレスチナ広場(Palestine Square)には数百人が集まり、イラン国旗とパレスチナの旗を振りながら、前例のない対イスラエル攻撃を祝った。

 イスラエル軍当局者によると、イランからは200を超える攻撃用無人機と弾道ミサイルが発射された。

 海上警備会社アンブリー(Ambrey)によれば、イエメンの親イラン武装組織フーシ派(Huthi)もイスラエルへの無人機攻撃を開始。またレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)も、イスラエルが占領するゴラン高原の同国陣地にロケット弾攻撃を行ったことを明らかにした。

 イラン国営IRNA通信は、攻撃によりネゲブ(Negev)砂漠にあるイスラエルの空軍基地に「大損害」を与えたと報じたが、イスラエル軍は被害は軽微だったと述べた。(c)AFP/Jay Deshmukh with Laurie Churchman