【4月10日 AFP】万物の質量の起源とされる「ヒッグス粒子」の存在を提唱した英物理学者、ピーター・ヒッグス(Peter Higgs)氏が8日、死去した。94歳。同氏が名誉教授を務めたエディンバラ大学(University of Edinburgh)が9日、発表した。

 1929年、イングランド北東部ニューカッスル(Newcastle)生まれ。ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)で博士号を取得後、エディンバラ大に移った。

 同大は、「彼は短い闘病の後、8日に自宅で穏やかに息を引き取った」としている。

 64年、万物に質量を与える粒子の存在を理論的に予測。後にヒッグス粒子、別名「神の粒子」とも呼ばれるようになったが、発見までには半世紀近くを要した。

 2012年になって欧州合同原子核研究機構(CERN)の粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」での実験でその存在が確認され、翌13年、ベルギーの物理学者フランソワ・アングレール(Francois Englert)と共にノーベル物理学賞(Nobel Prize in Physics)を受賞した。

 エディンバラ大はヒッグス氏について「偉大な教師、指導者であり、何世代もの若い科学者を触発」してきたと評した。(c)AFP/Joe JACKSON